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兄妹で和牛繁殖(2025年3月1週号)

「子供の頃から牛の面倒を見るうちに愛着が湧きました」と話すのは、上越市和田地区で水稲や大豆を栽培し、畜産を営む「たきもと農産有限会社」の滝本瑞樹(みずき)さん(27)、千裕(ちひろ)さん(22)兄妹。2人で協力し合いながら、畜産業の規模拡大を目指す。

「将来的には新しい牛舎を建てて頭数を増やしていきたい」と滝本さん兄妹
牛に給餌する滝本兄妹


 「子供の頃から牛の面倒を見るうちに愛着が湧きました」と話すのは、上越市和田地区で水稲や大豆を栽培し、畜産を営む「たきもと農産有限会社」の滝本瑞樹(みずき)さん(27)、千裕(ちひろ)さん(22)兄妹。2人で協力し合いながら、畜産業の規模拡大を目指す。

 畜産を学びたいとの思いで新潟県農業大学校の畜産経営科に進学した2人は、在学中に家畜人工授精師免許を取得した。卒業後は地元の上越市に戻り、父が経営する同社で畜産業に従事している。

 兄妹が取り組んでいるのは、親牛が生んだ子牛を約9カ月間育てて市場へ出荷する繁殖経営で、父親が10年ほど前に牛2頭から始めた。現在は、黒毛和牛の親牛12頭、子牛6頭を飼育している。

 「牛の飼育で難しいと感じることは、種付け時期となる発情を見極めることです。日々、牛の様子に目を配り、ささいな変化も見逃さないよう注意しています」と話す瑞樹さん。牛にとっての良い環境を考え、牛を綱でつなげず、広い柵内を自由に動けるようにし、ストレスを与えないように工夫している。

 そんな取り組みが実を結び、2023年9月に開催されたJA全農にいがた主催の「新潟県子牛共進会」で、優秀賞を受賞。千裕さんは「何度かチャレンジして、初めて受賞できたので、とても励みになりました」と喜びを話す。

 「牛の飼育に休みはありません。出産時には昼夜を問わず見守ったり、時には難産の子牛を引っ張って出産の手助けをしたりと大変に思うこともありますが、牛はとてもかわいいので苦労も吹き飛びます」とほほ笑む2人。

 互いに飼育方法や改善策など思ったことを遠慮なく話せるため、兄妹で働くことにメリットを感じているという。「これからも2人で力を合わせて畜産業に励み、規模拡大を目指したい」と抱負を話す。 

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