働きやすい職場づくり やりがいアップ(2025年1月3週号)
上越市頸城区大谷内の「農事組合法人ふぁーむ大地(松本祐一代表理事=54歳)」では、働きがいのある職場づくりと魅力的な農業の創造を目指し「『働き方改革』実行宣言」に取り組み、2021年には新潟県農業経営体等表彰「働き方改革の部」で知事賞を受賞している。
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同法人は1992年に設立。現在役員2人、正社員8人、パート従業員4人で水稲94.5ヘクタール、大豆6.8ヘクタール、ハウス15アールで野菜などを栽培している。
▼計画的に休日取得 事故防止、効率化
「若い人が働きやすい環境にするため、会社のオリジナルカレンダーを作り休日を明確にし、計画的に休日を取れるようにしています」と話す松本代表。土曜日の半日と日曜日を休日にすることで、事故防止の効果やモチベーションの向上につながり、作業効率もアップした。
盆などの時期には県外へ帰省する従業員もいるため、互いにカバーできるよう体制を整備。また、男女別のトイレや更衣室など働きやすい職場環境も整えている。
▼スマート農業の効果を実感
スマート農業にも力を入れ、3年前に営農管理システムを導入。全ての従業員が作業の進捗状況や管理状況をスマートフォンやパソコンで確認可能で、情報の共有化により従業員同士で作業をカバーできる。
また、23年からは栽培管理支援システムを導入し、衛星画像を使用した人工知能(AI)生育診断を活用している。マップデータ連動可変施肥田植機にデータを取り込むことで、最適な施肥量が自動で散布されるため、肥料の均一化、省力化が図られる。
今までは経験と知識が必要だった耕地ごとの細かな情報をAIが判断するため、経験が浅い従業員の負担も少なくなった。
「ドローン(マルチコプター)も導入し、防除や肥料散布作業も軽減することができ、スマート農業の効果を実感しています」と松本代表。
「『人材は宝』だと思います。若い従業員が頑張っているからこそ、今のふぁーむ大地があります。これからもデジタル技術を有効活用し、人や農地の受け皿として安定的な農業経営を進めていきたいですね」と抱負を話す。