農と食で地域の魅力発信(2024年11月3週号)
「農業に対して興味を持ち、生産者への感謝の気持ちと食の大切さを感じるきっかけになってほしいです」と話す「Akiha Agri Support Activity」代表・野菜ソムリエプロの原早苗〈はら・さなえ〉さん。同グループでは、新潟市秋葉区とその近郊の農産物を知ってもらい、地域の消費拡大につなげたいという思いから、農業体験と料理教室を一体化したイベントを開催している。
「地元農家と野菜ソムリエが中心となり、2022年にグループを結成し、活動の輪を年々広げて、内容も進化してきています」と話す広報担当の渡辺優一さん。現在は養蜂家、酪農家、飲食店店主などを含め、9人のメンバーで活動を行っている。
活動は主に定期開催するイベントで、参加者は農業体験後、収穫した野菜や地元食材を使って行う料理教室で食の大切さを学ぶ。旬野菜の収穫体験はもちろん、採蜜体験や酪農体験なども人気で、普段経験することのできない幅広い内容が魅力だ。夏のトウモロコシ収穫と秋のサツマイモ掘りは特に人気が高い。
料理教室は、地元の食材を使用したさまざまな料理やスイーツをはじめ、地元飲食店店主指導のもと、飲食店の人気メニュー作りなどもあり、世代を問わず楽しめる内容となっている。
「子育て世代の参加が年々増えています。体験後の皆さまのきらきらとした笑顔がイベント開催への原動力にもなっています」と原さん。
また、イベント内では野菜ソムリエによる食材の特徴や効能、保存方法などを学べる講座が行われ、多くの学びも提供されている。
「この活動によって、農業に携わる人や農業を意識する人が増えてほしいと願っています。今後の目標は、農業体験の幅を広げるために体験作物を増やしたり、定植から収穫、それを食につなげるという一貫した体験ができたりする環境づくりです」と期待に満ちた表情を見せる。