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有機JAS認証米で米粉シフォンケーキなど(2024年10月1週号)

「農業の世界に入り16年、農作物の栽培や加工品の製造販売で、多くの人に必要とされるものを提供したいという思いは変わりません」と話すのは、刈羽村赤田北方にある株式会社孫作〈まござく〉の代表取締役・水品栄人さん(39)。自社産の有機栽培米を使用した米粉スイーツなどを製造販売している。

収穫した有機米を手に笑顔の水品さん
新之助の米粉を使用した人気のシフォンケーキは常時10種類ある

 水稲の有機栽培に力を入れる水品さんは、有機肥料などを用いて水田を土壌改良し、約20ヘクタールを栽培。収穫後は米の鮮度とうまみを保つため、もみの状態で保管する。食味分析計により米のタンパク質や水分量、アミロース値などを計測し、厳正な選別を経て出荷している。
 水品さんは実家が兼業農家で、高校卒業後はレーシングメカニックとして三重県鈴鹿市で働いていた。しかし、2007年の新潟県中越沖地震を契機に農家を継ぐことを決心。震災後は実家で農機具販売・整備の仕事と並行し、農作物の栽培を始めた。
 農業の知識はゼロからのスタートだったが、作った米をおいしいと言ってもらい、農業の面白さを知ったという。多くの人においしく、安全なものを届けるため、13年に同社を設立した。
 ▼アレルギーに対応
 同社では有機栽培の「コシヒカリ」「新之助」などのブランド米を用いた米粉スイーツや麺、たこ焼きなどの商品を製造販売している。食物アレルギーを持つ地元の子どもたちのため、アレルギーに対応するさまざまな商品を開発し、提供。みんなが安心して同じものを食べられる商品を作り「食」の問題を持つ人を減らしていきたいという考えから、開発を本格的に始めた。
 その中で完成した商品が「有機JAS認証米の米粉100%シフォンケーキ」だ。自社産の米粉を用いることで、しっとりフワフワとした食感の優しい甘みを持つ商品となり、23年には新潟県優良認定農業者の販売革新部門で県知事賞を受賞した。
 「アレルギーを持つ持たないにかかわらず、誰かに必要とされるものを作り続けていきたい」と水品さんは話している。
 ▽インスタグラム=@kodawari_magosaku

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