アスパラガス おいしさを追求(2024年9月3週号)
「朝取りのアスパラガスは『筋がなくて柔らかい』『鮮度が良くて生でも食べられる』と多くのリピーターから好評です」と話すのは、燕市大曲の金子豊蔵さん(71)。おいしいアスパラガスを多く生産するため、日々インターネットなどで情報を集めている。
「元々、アスパラガスが好きで、津南町の直売所で毎年購入していました」という金子さん。購入するのでなく自分で作ってみようと思ったのをきっかけに、実家の畑を借りて栽培を始め、現在、露地で20アール栽培している。
アスパラガスは露地栽培の場合、播種後1~2年かけて株を大きくするため、3年目から収穫できるようになる。初めての収穫のタイミングを迎えた時、金子さんは勤めていた会社を65歳で辞めて専業農家になった。「知識もなくゼロからのスタートでしたが、知り合いの農家さんやJAの営農指導員さんに親身になって指導してもらいました」と金子さん。今では多くのリピーターがいるという。
肥料も重視し、アスパラガスのうまみを引き出すため、マグロの中落ちを魚粉にして肥料に混ぜる工夫もしている。
金子さんは4月下旬から春芽の収穫を始め、根の養分を使い果たす前に春芽を伸ばして親木にしている。その後、親木が光合成で作った養分で伸びてくる夏芽を10月上旬まで収穫する予定だ。春芽は甘みがあるが、夏芽はあっさりしているという。
「毎日早朝から1人で収穫しているので大変です」と苦労を話すが、「お客さんからの『おいしかったよ』という声が励みになり、やりがいにもつながる」という。「これからも新鮮でおいしいアスパラガスを、多くのお客さんに食べてもらうために頑張りたいです」と意気込む。