自社産イチゴでスイーツ 引き立つ素材の魅力(2024年9月1週号)
胎内市の「いちごカンパニー株式会社」(代表取締役・小野貴史さん)は、廃校を活用した完全閉鎖型の植物工場で、2013年から最先端の発光ダイオード(LED)技術を駆使したイチゴの生産を行っている。昨年4月、栽培したイチゴの販路拡大や製品ロスの削減、販売のモデル事業として、直営店「いちごカンパニースイーツラボ」をオープンした。
胎内市羽黒の国道7号線沿いにある同店は、自社栽培のイチゴを使用したスイーツショップで、植物工場が併設されている。イチゴは最先端技術のLED光源で栽培され、気候に左右されず、一年を通して安定した高品質なイチゴの栽培が可能だ。
「このスイーツラボの一番の特徴は、併設された植物工場で栽培したイチゴをスイーツに直接使用していることです」と店員の威本悠希さんは話す。
植物工場内には約1200株の「越後姫」が厳しい品質管理のもと栽培されている。この品種は、果肉が柔らかく香り高いのが特徴だ。数に限りがあるが、その特徴を生かし「とろける香りいちご」として通年販売している。
同店には多彩なメニューがあり、パティシエが手がけるスイーツはどれもイチゴの魅力を最大限に引き出している。人気の「いちごパフェ」やショートケーキ、特製のイチゴドリンクなどのほか、地元特産品の米粉を使用した焼き菓子も販売している。
屋根付きの広いテラスでは、イチゴ栽培の様子を窓から見学することが可能。威本さんは「イチゴの育つ過程を見ながらスイーツを味わうことができ、とても好評です」と話す。
同店はまちの駅としても機能するほか、季節によってポンプジェットの噴水のほか、薪〈まき〉ストーブが焚〈た〉かれ、異なる趣が楽しめる。
「一年を通して楽しめる場所です。皆さんの身近な場所になってほしい」と期待を込める。
▽いちごカンパニースイーツラボ=胎内市羽黒1862の17、電話0254(28)7176