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作業受託組合設立 持続可能な地域営農へ(2024年7月3週号)

出雲崎町で2024年3月、出雲崎作業受託組合(通称:出雲崎アグリンズ、佐藤一彦代表=68歳)が設立された。町内外の施肥や防除、草刈りなどの作業を受託することを目的に、活動本格化に向け動き出している。

出雲崎アグリンズのポスター
農薬散布研修で技術向上を図る

 出雲崎町では、近年の農業者の高齢化や担い手不足などの厳しい状況を受け、町全体の農業者を対象とした、持続可能な農業を行うための法人設立に向け取り組んでいる。

 その柱として、園芸作物栽培で冬期間の収入確保を目指す「園芸品目協議会」と、恒常的に収入が見込める作業受託体制の構築を目指す「作業受託協議会」の二つが立ち上がった。

 同組合は作業を実際に行う組織として設立され、現在は40代から60代の10人で構成されている。

 受託作業は小型無人機(ドローン)や無線操縦草刈機を使用して行う。町民なら農業者以外でも作業受託協議会への参加が可能。同組合に参加した場合には、ドローン免許取得費用を協議会が負担する。

 同町産業観光課の南波係長は「兼業農家が多く、作業を請け負うような農業法人もありません。法人が設立されれば、高齢化などで負担になってくる作業の省力化と、離農による耕作放棄地の増加を防止することができます」と話す。

 県内ではイノシシなどによる作物被害が大きな問題となっているが、同町では昨年度、イノシシ59頭が捕獲された。電気柵やわなも設置しているが、耕作放棄地は寝屋となり得るため、同組合の活動による耕地の荒廃予防も期待される。

 「委託の申し込み方法や料金単価などの細部はこれから決めていきます。作業受託に向けて、構成員も増やしていきたいです」と南波係長。

 本年度は実技研修と試験的な受託で技術の向上を図り、今後、本格的な活動を開始する予定だ。

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