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自社産米のせんべい 魚沼の味広めたい(2024年5月1週号)

 水稲20㌶を栽培する魚沼市の「株式会社入広瀬(佐藤貞〈ただし〉代表取締役、47歳)」は、2011年から自社産の魚沼米を原料としたせんべい作りに挑戦。その後、菓子店を開くなど事業を拡大し、23年に農林水産省経営局長賞(6次産業化部門)を受賞した。

表彰状を手にする佐藤代表(右から2人目)
商品の笹雪だるま。生だんごと冷凍がある

 03年設立の同法人は、地域の高齢化が進み、担い手がいなくなった田んぼを受け入れ、当初は2㌶ほどだった面積が現在では約20㌶まで拡大した。事業拡大のさなか、普及センターからの提案で加工品を手がけることを決意し、せんべい作りを始めた。

 「全て手作業のこだわりのせんべいは、1日300枚生産するのが限界。当時は事業の経験もなく販路の開拓に一番苦労した」と佐藤代表は話す。

 同時期に地元で愛されていた和菓子店の移転に伴い、空いた店舗で菓子店「美つ星店」を開店。「道の駅いりひろせ」の運営の委託管理も受け、事業を拡大していった。

 道の駅では県外からの利用客が多いことから、地元の土産物を求めている。そのため、全国的に有名な魚沼産米を原料としたせんべいや、店舗の開店に伴って開発した笹団子「笹雪だるま」は多少値段が張っても、土産物として好まれたという。「出来上がるまでの手間がかかってしまう分、どうしても値段が張ってしまう」と佐藤代表は話す。

 地元の景色や商品を交流サイト(SNS)で地道に発信したかいもあり、バイク乗りの注目を集めたことで来店者が増え、販売数を順調に伸ばしていった。

 しかし、逆風となったのが新型コロナウイルスのまん延だった。「コロナ禍では県外のお客さんを誘致することが難しく、販売店の2カ月休業を余儀なくされ、経営が厳しくなった時期もあった」という。

 「現在、客数は戻ってきつつある。せんべいの味について試行錯誤を重ねながら、地元の方だけでなく県外の方にも広く、魚沼の味を広めていきたい」と意気込みを話す。

 ▽商品の販売先=道の駅いりひろせ(魚沼市大栃山356の2)

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