ブランドイチジク「越の雫」 若者に魅力アピール(2023年10月3週号)
「たくさんの先輩方の意志を受け継ぎ、毎日奮闘しています」と話す新潟市西蒲区与兵衛野新田の笹川隆介さん(26)は「JA新潟かがやき」の人気ブランドイチジク「越の雫」を約45㌃栽培する。笹川さんの高品質生産が各所で高く評価され、若手農業者として注目を集めている。
笹川さんは農業の専門学校を卒業した後、2017年に親元就農し、祖父や父とともに水稲や野菜などを栽培している。
22年からはイチジクの栽培を任され、研さんの日々を送る。また、JAイチジク部会の役員となり、ラジオCMやテレビにも出演するなど、イチジクの消費拡大に向けたPR活動にも積極的に取り組む。
イチジクは冬に枝の剪定〈せんてい〉から始まり、春の土作りや夏の芽かき、こまめな防除など多くの作業がある。中でも枝つりは枝の数がとても多いため、作業に時間がかかる。
今年は連日の猛暑による水不足となり、例年と比べて管理が大変だったという。「植えたばかりの苗木は根を伸ばすために水分が必要不可欠で、1日4回に分けてこまめな水やりをしました」と笹川さん。
害虫対策では、天敵であるカミキリムシの幼虫がいないか、毎日の圃場の見回りは欠かさない。
「大変なことが多いですが、苦労した分だけ自分にプラスとなって返ってくることも多いのが魅力ですね」と笹川さん。「今年もとても良いイチジクができたので、多くの方にぜひ食べてもらいたいです」と話す。
イチジクを好む人は女性と中高年層が多いイメージが強い。そのため、若い世代にPR活動を積極的に展開し、消費量の拡大を目標に掲げている。「消費者だけでなく、新規栽培者に向けて情報発信し、イチジクの魅力とおいしさを届けられたらいいですね」と笑顔で話す。