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地場産ブドウのワイン 増産へ意欲(2023年1月3週号)

 「やっと形にすることができてうれしいです」と笑顔で話す農事組合法人坂口げんき農場の代表理事・後藤正直さん(68)。同法人は、妙高市で初となる地場産ブドウを使用したワインを昨年商品化した。1200本限定販売され、約2週間で完売するなど話題となっている。

(農)坂口げんき農場・妙高市

「垣根仕立てで木の被害を少なく抑えている」と後藤さん
完成した赤ワイン「フロコン・ドゥ・ネージュ」

 同法人では水稲25㌶、ネギ25㌃、キク2.5㌃、ブドウ2.6㌶を栽培する。ブドウは8年前に地区の耕作放棄地を整備して栽培を始めた。初年度は80本を植え、現在は約3千本まで本数を増やしている。栽培するのは、赤ワイン用ブドウ3品種(「マスカットベーリーA」「アルモノワール」「ビジュノワール」)だ。

▼肥培管理を徹底 収量が年々増加

 標高約400㍍に位置する妙高市坂口集落は気温の寒暖差が大きく、水はけの良い土壌でブドウの栽培には適しているが、豪雪地域のため、樹体の雪害対策が重要だ。「2021年は降雪量が多くて、木が折れてしまい、大きな被害となった」と後藤さん。「垣根仕立て」で栽培し被害の軽減を図っている。

 また、肥培管理を徹底することで収穫量は年々増加。22年産の収穫量は約3千㌔と、前年産の約2倍となった。「頑張ってきた成果が目に見えるようでうれしい。収穫する時期が一番楽しい」と後藤さんは話す。

 収穫量が増え、地場産ワインの生産が見込めるようになったため、上越市の「岩の原葡萄園」に委託し、ワインの完成にこぎつけた。

 完成した赤ワインは、雪のひとかけらという意味の「フロコン・ドゥ・ネージュ」と命名。22年7月1日から1200本限定で販売され、約2週間で完売した。今年は2400本の販売を計画している。

 「今後は栽培面積を増やし、白ワイン用ブドウの栽培も計画している。将来的にはワイナリーを造り、製造や販売をしていき、妙高市の観光産業の発展に寄与したい」と後藤さんは展望を話す。

 

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