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ハウスキュウリ ICTで増産へ(2022年5月3週号)

ハウスキュウリ ICTで増産へ

新潟市南区

 新潟市南区の髙橋諒輔さん(36)は、「新潟県産地生産基盤パワーアップ事業」を利用し、大型鉄骨ハウスを有志4人で建設。産地の維持・拡大とブランドキュウリ「きゅうり王子」の増産を狙う。

ブランド化された「きゅうり王子」を収穫する髙橋さん
スマートフォンでハウス内の状況が一目で分かる。換気などの作業が自動ででき、省力化につながっている。

 県内のキュウリ・トマト産地の新潟市南区で、髙橋さんは2011年に就農し、キュウリとトマトを栽培している(ハウス11棟、約34.9㌃)。

 有志4人で建設した鉄骨ハウスは、ICT(情報通信技術)クラウドで管理・コントロールするシステムの「アグリネット」を導入。パソコンやスマートフォンでハウス内の状況が一目で分かる。ハウス内の温度に応じて天窓を開閉するなど細かな設定が可能となっている。

 「時期によってはハウスの換気などの管理で忙しくなります。アグリネットを導入したことで、手元でハウスの状況が分かるようになり、換気などが自動でできるので省力化につながっています」と話す髙橋さん。管理全てを頼りきることはないが、省力化ができる分は、キュウリの生育状況をこまめに確認し、より良い作物を作ることを心掛けている。

 朝取りで厳しい選果を経て出荷された同区のブランド・きゅうり王子が、市場からも高い評価を受けている。「今まではキュウリの作付けは少なく、トマトを中心にしていました。今後は農家の高齢化や園芸作物の多品目化が進み、キュウリの作付面積の減少が見込まれます」と危機感を持つ。

 キュウリのブランド化をきっかけに作付けを増やす決断をした髙橋さん。「産地の維持だけでなく拡大にも力を注ぎ、年間20㌧を目標に収量を上げていきたい」と話す。

 「ICTを活用することで、より高品質な栽培を目指したいです。キュウリの収穫時期を迎え早朝から行い、忙しい毎日が続きますが、良質なキュウリができたときの喜びはひとしおですね」と笑顔を見せる。

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