手塩にかけた巨大シイタケ 自慢の逸品に(2021年11月1週号)
手塩にかけた巨大シイタケ 自慢の逸品に
加茂市
「かさが大きく重みがあり、歯応えの良いシイタケが一番人気です」と話すのは、加茂市加茂新田にある「青木農園」代表の青木博文さん(45)。同農園では水稲約3㌶のほか、ハウス3棟でキノコを栽培している。中でも、ジューシーでプリッとした食感が癖になる特大のシイタケは、過去に県内の品評会で2度、優秀賞を受賞するなど高評価を得ている。
14年前から農業に従事している青木さん。当時、キノコを栽培していた法人で経験を積み、2014年に独立した。
同農園では、シイタケの他、キクラゲやナメコ、ヒラタケなど合わせて約1万7千菌床を栽培。ナメコも大振りで、食べ応えがあり好評だという。
「夏場のハウス内の温度管理に非常に苦労しています」と青木さんは話す。シイタケ菌は、暑さに弱いという特徴がある。30度以上の高温が続くと菌床が弱まり、秋の収穫に影響があるため、徹底した温度管理が必要だ。
同農園では空調設備を用いず、夏場はハウス内の菌床に散水する。さらに、扇風機を使用してハウス内の温度を30度以下に抑える努力をしている。それでも、近年の猛暑により温度が下がりづらく、苦労しているという。
菌床は12月から3月の寒い時期に製造。おがくずや栄養体、水を混ぜ合わせて成型し、殺菌釜で無菌状態にする。その後、無菌状態の部屋で菌床に種菌を接種する。「ここで菌床に雑菌が入ると、シイタケ菌が雑菌に侵され、栽培できなくなってしまいます」と話す。
手間暇かけて栽培したシイタケの収穫時期は10月から5月末まで。農協出荷以外には、直売所やネットで販売している。
「通年出荷できるように、空調設備を設置して、規模拡大を目指していきたいです。食卓の主役になること間違いなしのおいしいシイタケをぜひご堪能ください」と笑顔で話す。