にいがた版 2020年3月4週号
プリンや焼き菓子を製造・販
小千谷の食材PR
ポレポレ工房 小千谷市
「お菓子を通じて、小千谷のおいしい食材を知ってもらいたいです」と話すのは、小千谷市岩沢で菓子製造を行う「ポレポレ工房」の清野憂〈せいのうれい〉さん(46)。同工房では地元食材をふんだんに使った手作りのプリンや焼き菓子などを製造・販売しており、人気を集めている。
「地元食材の味を生かしたお菓子を作っています」と清野さん |
販売しているプリンや焼き菓子 |
東京都出身の清野さんは、栄養学を学んでいたため「いつか食に関わる仕事がしたい」との思いから、同市岩沢の農家レストラン「より処〈どころ〉 山紫」の地域おこし協力隊に応募。2014年に協力隊となり、小千谷市に移住した。
「農家レストランに関わっていく中で、季節によって旬の野菜や山菜などのおいしい食材があることを知りました」と清野さん。協力隊の任期を終えた17年に同工房をオープンした。「“ポレポレ”とは、スワヒリ語でゆっくり、のんびりという意味です。田舎でゆっくり暮らしていけたら、という思いを込めています」と笑顔で話す。
菓子作りは、素材の良しあしが重要なことから、地元の物を中心に、国産の安全・安心な材料を使っている。化学肥料や農薬を使用せず、自身で栽培した「胃袋かぼちゃ」なども材料として使用。同農家レストランや各種イベントで販売している他、ふるさと納税の返礼品にもなっている。
清野さんは「都会にいる時は、手軽に食べ物が手に入り、大量生産でどれも同じような味だと感じていました。ここでは素材から作って料理し食べるといった、人間らしい食生活ができていると思います」と話す。
同工房は小麦粉・卵不使用のアレルギーに対応したケーキを取り扱うなど、一人一人のニーズに対応。「わが家で取れた野菜でお菓子を作ってほしい」といった要望にも応えている。
「これといった売りがまだありませんが、いつかはこの工房にしかないものを作っていきたいです」と意欲を見せる。
(岡本浩美)