にいがた版 2019年12月1週号
若手の雇用と人材育成に力
地域農業守る
「農事組合法人ひまわり起耕」代表理事 神田 勝さん 聖籠町
新しい風を入れて地域の農業を守っていきたい」と力強く話すのは、聖籠町「農事組合法人ひまわり起耕」の代表理事を務める神田勝さん(64)。水稲26㌶の他、ハウスでキャベツとブロッコリーを合わせて7.8㌃作付けしている同法人では、若手の雇用と人材育成に力を入れている。
「若手の人材育成に力を入れていきたいです」 |
同法人は、「集落の農業を守りたい」との思いから2015年に設立。高齢化とともに労働力が不足してくることから、若手の育成が必要だと考えてきた。
神田さんは「親しみを持ってもらえるように『ひまわり起耕』という名前にしました。農業に明るいイメージを持ってもらいたかったので、ロゴマークも作りました」と笑顔で話す。
同法人では、2年前から同町の事業を利用し、町外から新規就農希望者を2人雇用している。「地元以外の若い人を採用することで、新しい発想を持った農業ができると思いました」と話す。
同社に雇用就農した新潟市東区の斉藤和輝さん(34)と同市北区の小俣護満さん(28)は、農業の経験が無く、知人の話を聞き農業に触れてみたくなったのだという。
斉藤さんと小俣さんは「初めは分からないことが多く、すごく不安がありましたが、職場の皆さんが温かく歓迎してくれたので、スムーズに雰囲気になじむことができました」と笑顔で話す。
神田さんは、2人に農業の基礎を学んでもらうため、近くの圃場で農機運転の練習や畑を貸し出していろいろな農作物の栽培をさせている。
「これからはドローン(小型無人機)の導入や最新の技術を勉強し、新しい切り口で農業にチャレンジしていきたいです」と力を込める斉藤さん。小俣さんは「いろいろな野菜作りに挑戦し、地域適性やコスト感覚を学んでいきたいです」と意気込む。
「2人には新しい発想力を持って、若い力で地域の農業を明るく守ってもらいたい」と神田さんは次世代への思いを話す。
(土田傑)