にいがた版 2019年11月2週号
豚コレラ阻止へ
「川西地区猟友会」副会長 田畑 茂紀さん 十日町市
「豚コレラの拡大が心配ですね。みんなで協力して阻止したいです」と話すのは、十日町市の「川西地区猟友会」副会長の田畑茂紀さん(71)。拡大を見せる豚コレラを防ぐため、有害駆除に力を入れている。
有害駆除に力を尽くす川西地区猟友会のメンバー |
岐阜県での最初の発生から1年が過ぎようとしているが、いまだ収束のめどが立っていない豚コレラ。県内での発生はまだ確認されていないものの、隣県で野生イノシシの感染が発見され、防疫徹底やイノシシ対策としての電気柵の設置などが求められている。
県や市町、JAなどから、電気柵の設置費用の補助金が交付されている。同地区で養豚業を営む平野清志さん(72)は、「この地区の冬場の積雪を考えれば、電気柵はより強度が高く、頑丈なものでなくてはならない。1㍍当たり1万5千円を上限に補助金が出るが、飼養規模が大きい農場では、費用面で苦労する場合が出てくるのではないか」と懸念する。
川西地区猟友会が所属している「十日町市猟友会」は松代、松之山、川西、中里、津南地区の5区画に分けられ、全体で計100人の規模を誇る。川西地区猟友会は田畑さんの他、会長である上村修一さんを含め、計10人で活動している。
「猟友会の平均年齢は70近いので、有害駆除の依頼が増えていけば体力的にきつくなります。若い方に猟友会の活動を知ってもらって興味を持ってもらえたらうれしいです」と話す田畑さん。
有害駆除の区域は地区ごとに分けられているが、要請があれば場所を問わず出動するという。「移動が大変なときもありますが、楽しいものですよ」と笑顔で話す。
有害駆除は一年を通して行われるが、銃を使った狩猟期間は11月15日から2月15日までの3カ月間。「毎年、有害鳥獣による農作物被害などを耳にします。個体数を減らし被害拡大を抑制するためにも、今は狩猟より有害駆除ですね。行政からも狩猟より有害駆除に重きを置くよう頼まれています」と話す。
春先の有害駆除では雪崩の危険も伴う。最近では動物の里化が進んでいて、熊の出没で負傷者が出たというニュースもまだ耳に新しい。「毎年、捕獲頭数が増えているので、繁殖力の高さには驚きます。人的被害も含め、農業者の脅威とならないよう、これからも有害駆除に当たっていきたいです」と力強く話す。
(佐藤絢太)