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にいがた版 2019年9月3週号

極早生水稲「五百川」を初収穫

「燕市小池うまい米研究会」 阿部 武由さん 燕市

「燕市小池うまい米研究会(燕市小池地区)」では、今年初めて水稲の極早生品種「五百川」を栽培し、無事収穫を迎えた。同研究会に所属している阿部武由さん(67)は、五百川の栽培に取り組む他、「コシヒカリ」の食味向上に向けて日々、奮闘している。

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「さらなる食味向上を目
指します」と阿部さん

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極早生品種「五百川」。さっぱりと
した甘さがある

コシヒカリより1カ月収穫時期が早い水稲の極早生品種・五百川。燕市小池うまい米研究会は、燕市小池地区の阿部さん、佐藤春夫さん(67)、田巻勇作さん(68)が立ち上げ、今年、五百川62㌃を栽培した。
同品種は、福島県で栽培されていたコシヒカリの突然変異種として発見。福島県を流れる1級河川の五百川から名付けられた。2010年に品種登録され、新潟県では今年3月に銘柄米として登録された。
栽培期間は移植後約100日で、草丈が短く、耐倒伏性に優れており、粒形はコシヒカリよりやや小粒。食味はコシヒカリと同等で、冷めてもおいしいといった特徴があり、刈り取りはコシヒカリより1カ月早い。
胴割れになりやすい品種であることから、刈り遅れを避けるため、刈り取り時の籾〈もみ〉は青みが残る中で作業が行われた。心配と期待が交差したが、10㌃当たり480㌔とまずまずの収穫量となった。
関西圏への販路拡大を目指す同研究会は、取引のある米穀店から「盆ごろに出荷できる米があれば、西の産地の米と闘える」と勧められ、今年初めて栽培に挑戦した。
「初めての栽培で出穂期の把握が手探りだったため、肥培管理が大変でした。早速食べてみましたけど、さっぱりとした甘味で、とてもおいしかったです」と笑顔で話す。
コシヒカリの食味向上に向けても試行錯誤を重ねている阿部さん。「食べ物はおいしくなければリピーターがつきません」と話す。圃場ごとに施肥設計を行い、ミネラル分やカツオエキスの最適な施用時期や量を模索している。
「これからの農家は、米を作るだけでなく、マーケティングにも努めていかなければなりません。お客さまの声を聞く手間を惜しまず『うまい米作り』を行い、販売ルートの新規開拓も行っていきたいです」と力を込める。
(小澤英之)

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