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にいがた版 2019年5月4週号

山菜の漬物
高齢者の生きがいに

「株式会社Mt.ファームわかとち」代表取締役 細金 剛さん 小千谷市

「お年寄りに元気に働く喜び、楽しさを感じてもらいたいです」と話すのは、小千谷市真人町の「株式会社Mt.ファームわかとち」で代表取締役を務める細金剛さん(66)。同町若栃集落の高齢者が中心となって採取・加工した同社の山菜の漬物が人気を博している。

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「歯ごたえと香りが自慢の山菜
の漬物です」と細金さん

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集落の人たちが手作業で加工する

2004年の中越地震で建物や農地に大きな被害を受け、活気が無くなっていた同集落。「集落に元気を取り戻そう」と3年前に同社が設立された。同社では、米・野菜の生産・販売の他、山菜の漬物、総菜の製造・販売に取り組んでいる。
漬物の材料となる山菜は、主に集落の高齢者が山から採取する。山菜の採取から、あく抜き、山菜のカット、パック詰め、ラベルシール貼りなど、全てが手作業だ。山菜は自然のものなので、成長度合いが気象条件に左右されることから、材料の確保に苦労しているという。
食品加工の責任者の田中一郎さん(70)は「漬物は自然の味そのままで、着色料も保存料もほとんど使用していません。食べた時、しっかり歯応えがあり、色や香りは栽培している山菜とは全く違います」と自信を見せる。商談会や展示会でバイヤーからは「風味が良く、懐かしい味がする」と好評だ。
漬物は新潟駅などにある「ぽんしゅ館」、高速道路のサービスエリアの他、インターネットでも購入でき、小千谷市のふるさと納税のお礼の品にもなっている。今年は、1万パックの製造を目標としている。
「集落の人口は約100人、高齢化率約48%と、住人の約半数が65歳以上です。高齢者が生きがいを持ち、元気に働けて、集落が活性化していく足がかりとなる会社にしていきたいです」と細金さんは抱負を話す。
(岡本浩美)

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