にいがた版 2019年2月2週号
余った自家産野菜で加工品
元シェフが作るプロの味
うち田や 内田 磨さん 妙高市
自宅1階の一部を加工場に改装し、農産物加工食品を製造・販売する妙高市上中村新田の「うち田や」の内田磨〈おさむ〉さん(58)。シェフの経験を生かして、自家野菜を使ったあらゆる加工品作りに挑戦し、今年9年目を迎える。
「シェフ時代は洋食専門でした」と内田さん |
うち田やで製造している加工品 |
「うちの畑の野菜が食べきれずに余るんですよ。もったいないから加工品用に使ってみようと思って始めたんです」と話す内田さん。
家族と共に約10㌃の畑で栽培している野菜は、加工品にするために作っているわけではない。あくまでも“余った野菜”を使うことが内田さんの流儀。
自信作はトマトやニンジン、タマネギを使用したドレッシングやソース。素材の味が生かされ、生野菜だけでなく、料理の味付けにも使える一品だ。「当時、はやっていた食べるラー油を作ったのが始まりでした。後に取得した惣菜〈そうざい〉製造業という営業許可により、ドレッシング類も作ることができるようになりました」と当時を振り返る。
かつて地元のホテルでシェフを務めていた内田さん。退職後には、県外の総菜加工会社で働いた。内田さんは「シェフと総菜加工の経験が今につながっています。販売は直売所の増加が後押しになっています」と話す。現在、うち田やの商品は、県外の観光客も立ち寄る農産物直売所3店舗で販売される他、インターネットでも注文できる。
水稲も栽培し、米粉を使ったスープも製造・販売している。「シェフ時代は洋食専門だったので、リゾットやドリアなどの米を使った料理も販売してみたいのですが、消費期限の問題もあり模索中です」と内田さん。「味には自信があるのですが、ややアピール不足かな」と課題も挙げる。
「正直どんなものが売れるのか分かりません。だから、これからも余った野菜でその味を最大限に生かせる加工品を作っていくことに尽きます」と抱負を話す。
▽うち田やの商品は「旬菜交流館あるるん畑」(上越市)、「四季彩館ひだなん」(妙高市)、「妙高山麓直売センターとまと」(妙高市)で販売。
(大橋保)