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にいがた版 2019年1月4週号

雪下キャベツ
冬も地元産を

鶴巻 昭仁さん 三条市

県内有数のキャベツ生産地である三条市石上・栗林地区。鶴巻昭仁さん(65)は、同地区で主力の春・秋のキャベツだけでなく、冬季に収穫する雪下キャベツの栽培を約10年にわたり取り組み、新潟の冬野菜市場を支えている。

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雪下キャベツを収穫する鶴巻さん。
厳しい天候の中でも傷つきにくい品種を栽培

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信濃川原のキャベツ畑。
作付け耕地は毎年入れ替える

「今年は秋の天候不順で結球が遅くなり、1月に入ってようやく収穫にこぎつけました」と話す鶴巻さん。「夢ごろも」「彩音〈あやね〉」の2品種を、雪下キャベツとして約30㌃作付けしている。それぞれ耐寒性に優れ、固く締まった球に育つので、あられ被害に強く、雪の重みにも耐えられる特長を持つ品種だ。
12月から4月にかけて長期間にわたって収穫できるため、市場価格を見極めつつ収穫し、出荷しているという鶴巻さん。「昨年は野菜の需要が高く、価格が高騰しました。例年にない大雪の中、除雪しながらの収穫に必死でした」と苦労を話す。
雪の中でも高品質なキャベツを作るため、植え方も工夫している。春・秋のキャベツは1畝に2条で定植するが、雪下キャベツは1条植えを行う。2条植えにすると、成長した隣同士の列のキャベツが押し合い、球が傾くので、葉の底に水がたまり、腐敗しやすくなってしまうためだ。
「苦労も多いですし、年によって値段が大きく変動するので、作付け計画を立てるのも難しいです。しかし、昔から続くこの地区の特産なので、できる限り続けていきたいです」と鶴巻さん。長年、妻と共にキャベツ栽培を行ってきたが、3年前からは息子も就農したため、現在では家族3人で作業を行う。
鶴巻さんはキャベツだけでなく、水稲やエダマメ、ダイコンなどの複合経営をしており、各作物の収穫の合間を縫って、播種や移植、栽培管理を行っている。収穫作業が押してしまい、他の作物の作業が先送りになる場合があるため、安定的な生産を図るには省力化が課題となっている。
「特に防除作業の省力化が図れるといいですね。使用薬剤が限られることやドリフトのリスクなどの課題も多いですが、ドローンの導入などで、効率的に農薬散布ができるようになれば」と展望を話す。
(島岡譲)

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