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にいがた版 2018年9月4週号

妻有ポーク
双子の兄弟が力合わせて

(有)花田養豚場 田中真さん、力さん 十日町市

「生産性はもちろん、食味の向上にも力を入れています」と話すのは、十日町市原田の「有限会社花田養豚場(役員3人、従業員2人)」の田中真〈しん〉代表取締役(39)。専務兼農場長である双子の弟の力〈つとむ〉さん(39)らと共に、同市と津南町が誇る銘柄豚「妻有〈つまり〉ポーク」の生産と消費拡大に努めている。

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「妻有ポークのおいしさを広めたい
です」と田中真さん㊨と弟の力さん

 


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妻有ポークを使ったローストポーク

真さんが花田養豚場で働き始めたのは19歳の時。物心ついた頃から自宅で犬、猫、カモなど多くの生き物に囲まれた生活だったこともあり、生き物と接することのできる養豚業の道へ進んだ。その5年後に力さんが同社へ就き、双子で養豚業に携わることとなった。
真さんが32歳の時に経営移譲を受け、代表取締役となった。現在、畜産業に取り組み20年目を迎え、母豚230頭ほどを飼育している。
「双子ということもあって、自分がもう一人いるようです」と笑顔で話す2人。仕事中、2人とも優先する作業は何かを考えて行動しているため、既にその作業が終わっていることがあるという。
同社は、地元養豚生産者9戸で構成する「妻有畜産株式会社」にも所属。設立当時、飼料コストが大きな負担だったことから、飼料の共同購入を行うことでコストの削減を図った。地域一体となった防疫体制にも余念がなく、生産性が落ちてしまうオーエスキー病とPRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)が一度も入ったことがない地域へと確立してきた。
妻有ポークは、品質管理や食味向上のため、子豚期以降に抗生物質を使っていない。大麦やビタミンEを含んだ餌を与えることで、臭みが無く、脂肪に甘味があり、肉質が柔らかいのが特徴だ。
県内のスーパーや地元の学校給食でしか、流通していなかったが、最近は東京都内でも提供する店が増えてきた。テレビ番組で取り上げられ、視聴者から連絡をもらうこともあるという。
養豚業に限らず、後継者不足に悩む農家もいる中で、同地域では多くの後継者がおり、そのメンバーでつくる若手農家グループ「ちゃーはん」や「ぶたのしっぽ」などが農産物を広めていく活動を行っている。
「SNS(会員制交流サイト)なども使って多くの方に知ってもらい、妻有ポークだけでなく、さまざまな地元農産物を食べてもらいたいですね」と2人は意欲を燃やす。
(山口透)

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