にいがた版 2018年6月4週号
ポット苗で活着良好、チェーン除草を自動化
収量と省力化を両立
ささかみ有機農業研究会代表・青木等さん 阿賀野市
3年前に専業農家に転身し、夫婦二人三脚で有機栽培を含む16㌶の水稲を栽培している阿賀野市藤屋の青木等さん(42)。有機栽培の技術を磨きながら、有機JASの普及拡大と新規就農者の支援に取り組んでいる。
水稲のポット苗を植える青木さん |
田植え体験する園児たち |
12年前から有機栽培を始めた青木さん。以前は、有機用のマット苗を購入していたが、活着が遅く、チェーン除草を行うと苗が草に負けてしまい、収量が安定しなかった。
安定した収量の確保と省力化を目的に有機栽培を行っている農家5軒と協力し、2014年に「ささかみ有機農業研究会(ささLab)」を設立。青木さんが同研究会の代表を務め、移植後の活着が良いポット苗を取り入れた。
今まで人力で引っ張っていたチェーン除草の作業も釣りを応用し、電動リールで除草機を引っ張る仕様に改良。圃場に入らなくても除草ができるよう知恵を出し合い、省力化を実現した。
「専用の機械は必要ですが、マット苗からポット苗に変えただけで収量が安定しました。電動リール付きの除草機のおかげで労力が減って助かります」と満足した様子で話す。今年は有機栽培1.4㌶のうち、65㌃で90羽の合鴨〈あいがも〉農法にも挑戦している。
青木さんは、NPO法人「食農ネットささかみ」の理事を務めるなど、農業以外でも活躍。同NPO法人では、8年前から有機農業を普及させることを目的とした「ささかみ本気塾」を開校し、新規就農者の支援なども行っている。
地域農業に貢献していきたいという青木さんは先頃、地元の保育園から「鏡餅用のもち米を栽培したい」と依頼があり、年長と年中の園児を対象に田植え体験を行った。うまく植えることは難しかったが、子供たちが泥んこになって作業する姿を見てうれしくなり、これからも農業体験の依頼があればできる限り引き受けていきたいという。
「人とのつながりを大切にしながら、おいしいと言ってもらえるお米を作っていきたいです」と力強く話す。
(松川周子)