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にいがた版 2018年5月3週号

食品乾燥施設を整備
新商品開発を後押し

阿賀野市

阿賀野市では、常温乾燥の特許技術を用いた食品乾燥機を、閉校した小学校に導入し、乾燥施設として改装。昨年5月から地元の食品製造業者や農家に活用してもらい、農産物加工の新商品開発の取り組みを後押ししている。

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イチゴを乾燥機に投入。常温乾燥のため、色合い、風味を損なわない


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旧小学校の音楽室を農産加工施設に改装

「『地元の農産物を使った商品を作りたい』という食品製造会社の声が、事業を始めるきっかけとなりました」と話すのは、阿賀野市企画財政課の古田島(こだじま)和人さん(40)。常温乾燥技術の研究を進めている山形大学発のベンチャー企業から食品乾燥機を購入し、乾燥施設を整備した。
乾燥施設はコストを削減するため、旧小学校の一室を利用。室内を無菌状態に保つため、床の塗装やビニールシートの囲い、天井に送風機付きのフィルターを設置した。
「凍結や高温により乾燥させる従来の方法とは異なり、常温乾燥は栄養素や色合い、風味を損なう恐れがありません」と利点を話す古田島さん。中でも、イチゴやトマトの乾燥加工品は、菓子店や食品メーカーからとても好評だという。
「商品化を見据えて、何度でも活用してほしい」と利用料は無料となっている。施設に持ち込みできる農産物は規格外品や廃棄品でもよく、販売用として利用する場合、1回の乾燥加工量は最大15㌔まで利用可能だ。
同事業は阿賀野市の事業のため、乾燥加工できる対象品目は同市で生産された農産物だけとなっており、対象者も同市在住の人や同市で事業を営んでいる人に限られている。しかし、最終的には市の事業から民間ビジネスとして、事業の自立化を目指しており、誰でも幅広く農産物の乾燥加工ができるようにしていきたいという。
「今後も乾燥加工の利用者を増やしていきたいです。それが事業の確立につながると考えています」と古田島さんは力強く話す。
(鈴木紀裕)

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