にいがた版 2017年10月2週号
雑穀・豆50種ブレンドなど用ブドウなど
米消費拡大へ独自商品
米屋かたぎり 阿賀野市
米の精米・販売を始めて140年になる阿賀野市中央町の「米屋かたぎり(片桐俊晴代表)」。「もっと手軽に米を食べてもらいたい」との思いから、オリジナルブランド「嘉右衛門(かえもん)」を立ち上げ、新商品で米の消費拡大に取り組んでいる。
圃場で左から三女の佑季さん、長女の千恵さん、次女の帆苅左季さん
|
|
炊くだけで簡単に混ぜご飯などが作れる商品も販売 |
「嘉右衛門」は、米屋かたぎりを営む片桐家の屋号で、新しい中にも古き良き時代を感じられることからブランド名として採用した。商品開発を手がけたのは、三ツ星お米マイスターの資格を持つ片桐代表の長女、上松千恵さん(37)と三女の飯田佑季さん(31)だ。
同ブランドが最初に売り出した商品は、県産「コシヒカリ」に約50種類の雑穀や豆をブレンドした「GOZU五十穀米」。消費者の「おいしくて健康になれる商品が欲しい」との要望から、3年前に販売を開始し、シンプルながらも根強い人気を誇っている。
今年5月には、生米と具材を1合パックに詰め、炊くだけで簡単に混ぜご飯などが作れる商品を10種類開発した。具材には、国産の乾燥野菜を使用し、商品によっては玄米か白米かを選ぶこともできる。実際に食べた人からは「手軽に調理でき、野菜も取れるのでうれしい」「いろんな味があるので、家族で食べ比べをして盛り上がった」と好評で、試行錯誤を重ねて作り上げた商品に手応えを感じている。
千恵さんと佑季さんの2人は米作りにも興味を持ち、4年前に知り合いの生産者から6㌃の圃場を借りて栽培技術を学んだ。その経験を生かして地元農家と契約を結び、50㌃の圃場で有機肥料を使用した減農薬米を生産している。「五頭山系プレミアム三姉米」として販売されるこの米は、香りが良く、翌日になってもふっくらおいしく食べられると評判だ。現在、同店と同市村杉にある「うららの森」の他、商社経由で関東圏の一部でだけ販売を行っている。
千恵さんは「今は販売先が限られていますが、今後、いろんなイベントに参加して商品のPRを行っていきたいです。商品が定着して米の消費拡大につながったらうれしいですね」と笑顔で話す。
(松川周子)