にいがた版 2017年6月4週号
田舎のおかあちゃんの味
住民の“たまり場”に
農家キッチン「ひだまり」 糸魚川市
「うちの提供する料理は『田舎のおかあちゃんの料理』が中心です」と元気よく話すのは、農家キッチン「ひだまり」の統括責任者、斎藤礼子さん(67)。糸魚川市上南地区で、12人のベテラン主婦と共に郷土料理を提供。温かみのある家庭の味と農家のお母さんの明るさで評判を呼んでいる。
「地元食材を使った料理を食べてもらいたいです」と笑顔のスタッフ。前列左が斎藤さん
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人気メニューの「ひだまり定食(笹ずしセット)」 |
趣のある店構えの農家キチン「ひだまり」 |
「郷土料理である笹(ささ)ずしとそばで上南地区を盛り上げたい」との思いから、仲間と共に農家キッチン「ひだまり」の前身「そば道場よってきなえや」の営業を始めた斎藤さん。地域づくりの一環として県や市から要請を受け、2013年10月に農家キッチンをオープンさせた。
料理には全て地元産の食材を使用しており、そば粉や米、野菜はもちろん、ワカメなどの海の幸も知り合いの漁師から直接仕入れている。季節によっては、店の周りに咲いている花を天ぷらにすることもあるという。
従業員は60代のベテラン主婦が中心で、店内には「いらっしゃいませ」の声や厨房(ちゅうぼう)とのやりとりなど元気な声が響く。コミュニケーションを大切にしており、「どこから来たの」と優しく声を掛けることも忘れない。手作りの滋味深い料理と温かな雰囲気のとりこになるリピーターが多く、市内の他、長野や富山などの隣県からも訪れる。
「来てくれた皆さんから『おいしかったよ』『また来るね』と言ってもらえると、とてもうれしいです。励みになりますね」とにっこり。
店内には、上南地区の農家が当日に収穫した作物を持ち込む直売コーナーも設けられており、フキやキュウリ、秋には米も並ぶ。
現在は、ランチ営業だけだが、ディナー営業を希望する声も多い。斎藤さんは「従業員が全員主婦なのでなかなか難しいですが、少しずつ応えられるようにしていきたいです。上南地区の『ひだまり・たまり場・人だまり』となれればいいですね」と笑顔を見せる。
▽問い合わせ先=農家キッチン「ひだまり」(電話025・568・2227)▽住所=糸魚川市槙1048▽営業時間=午前11時~午後2時(オーダーストップ午後1時30分)▽定休日=木曜
(中嶋未来)