にいがた版 2017年6月2週号
地元の食材で味噌、漬物、笹団子・・・
本物の味守る
関川村生活改善研究会 関川村
ふるさとの味を残そうと長年にわたり活動を続けている関川村生活改善研究会。「愛情いっぱいの『本物の味』を食べてもらいたい」と、地元の食材を使った味噌(みそ)や漬物、笹(ささ)団子などの加工品を製造・販売し、地産地消に取り組んでいる。
丁寧に笹団子を作る内山代表(手前)
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「旬づくり味噌」と漬物 |
味噌用の麹を製造するメンバー |
関川村生活改善研究会は、特産品の開発と農村の女性が活躍できる場を確保しようと1980年に発足した。現在、メンバー15人で、上野新集落内にある関川村ふるさと産品開発センターで加工品の製造を行っている。
5月中旬からは、人気商品の笹団子作りが最盛期を迎え、1日平均500個、多いときには千個以上を製造する。原材料の米粉は、はさがけで乾燥させた地元産のもち米を使用。手際良くあんこを生地で包み、笹を巻きつける作業は職人技で、一つ一つ丁寧に作られている。
また、同会が造る無添加味噌「旬づくり味噌」は、半年以上熟成させてから販売する自慢の逸品だ。冬場に仕込みを始め、味噌造りに欠かせない大豆や麹(こうじ)となる米も全て地元産を使用している。麹は「コシヒカリ」と「五百万石」をブレンドしており、独特の甘さが味噌のおいしさを引き立てる。材料を持ち込めば、同会で仕込みまでを行い、各家庭で発酵・熟成させることも可能だ。
完成した味噌はそのまま販売する他、味噌漬けの素(もと)や同会のオリジナル商品「しいたけ味噌」などに幅広く活用されている。地産地消の取り組みの一環として、村内の保育園や小中学校の給食にも味噌を提供。丹精こめて造られた味噌は、給食を通して子供たちにも親しまれている。
精力的に活動している同会だが、メンバーの平均年齢は65歳以上で、高齢化が年々進み、後継者不足が大きな課題となっている。
同会の代表を務める内山由岐子さん(81)は、「会の活動は35年以上になります。設備も充実しているので、ぜひ将来に残したい」と会の存続を強く願っている。
「今の若い人たちは、体に良いとされる豆製品や漬物などを口にする機会が少なく、とても残念です。愛情込めて手作りしている本物の味を多くの人たちに知ってもらいたいですね」と力を込める。
(松川周子)