にいがた版 2017年5月2週号
あげ餅 素材は自家産こがねもち
懐かしい味を提供
本間みち子さん 佐渡市
「子供の頃に食べた祖母の『あげ餅』の味が忘れられませんでした」と話す佐渡市豊田の本間みち子さん(64)。5年前、もち米の加工設備を整え「こがねもち」を使ったあげ餅の製造・販売を始めた。
商品のあげ餅をPRするみち子さん
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一枚一枚丁寧に乾燥させる |
餅屋から譲り受けた専用の餅つき機を使用 |
「定年退職を前に何か新しいことに挑戦してみたかった」というみち子さん。夫の達雄さん(69)と共に、あげ餅の製造販売とイチジクの生産販売を行う「佐渡フード」を立ち上げた。
あげ餅は、自家栽培したこがねもちを使用し、原材料から製造・販売まで一貫して行っている。「いろいろなもち米を試しましたが、高品質で油で揚げた際の食味の良さからこがねもちを選びました」とにっこり。
製造工程の中で、最も重要なのは乾燥作業で、湿度が低く乾燥に適している12~3月に4~5日かけて自然乾燥させる。乾燥用の網棚は、息子の賢一さんの手作りで、あげ餅の製造になくてはならないものとなっている。
「みち子さんの作るあげ餅は特有の油っぽさがなく、食感がとても良い」と購入者からも評判。こめ油で揚げることで、サクサクとした食感と風味豊かなあげ餅ができる。揚げると餅が反ってしまうため、形を整えながら作業する。手間はかかるが「お客さんにおいしいものを届けたい」という、みち子さんの気持ちが詰まっている。
あげ餅は、黒糖・柚子(ゆず)・黒ゴマ・干しエビ・青のり・カレーの6種類の味が1袋に入っており、いろいろな味を楽しむことができる。佐渡汽船ターミナルの売店や島内の小売店で購入が可能だ。地方発送にも応じており、関東や東北からの購入者も後を絶たないという。
「今後は販路を拡大して、より多くの人に手作りのあげ餅の味を知ってもらいたいですね」とみち子さんは意気込む。
(齋藤卓海)