にいがた版 2016年11月2週号
「ベビーパーシモン」 ミニチュア柿
祖父の思いを継承
近藤 恭章さん 佐渡市
「赤泊地区で栽培されている、かわいらしい小さなおけさ柿をもっと多くの人に知ってもらいたいです」と話す佐渡市赤泊の近藤恭章さん(40)。祖父が偶然発見したミニチュア柿「ベビーパーシモン」を受け継ぎ、家族4人で大切に栽培している。
「べびーパーシモン」を収穫する近藤さん |
右が「ベビーパーシモン」。通常のおけさ柿の |
ベビーパーシモンは直径3㌢ほどの見た目がかわいらしいおけさ柿。糖度は20度以上にもなるため、一般的な大きさの柿と比べてとても甘い。外皮が薄く、種が無いのが特徴だ。佐渡の赤泊が原産地で、発見したのは近藤さんの祖父、保さんだ。
35年ほど前、柿の剪定(せんてい)中に「平核無」の枝変わりを発見。そのまま栽培を続けたところ、通常のおけさ柿の約6分の1の大きさの柿が実ったという。突然変異で偶然に見つかった小さな柿は「ベビーパーシモン」と名付けられ、その後、保さんから孫の恭章さんまで受け継がれた。
近藤さんは仕事をしながら休日を使って現在、約50本のベビーパーシモンを栽培している。
一般的な柿は、剪定や摘果を行うことで果実を太らせるが、ベビーパーシモンは、剪定や摘果を頻繁に行う必要がない。栽培期間中はあまり手間が掛からないが、実が小さく鈴なりになるため、収穫や箱詰め作業はとても大変だ。今年は9月初めごろから10月末まで収穫が行われた。
収穫したベビーパーシモンは、主に佐渡島内と関西方面に出荷している。料亭の料理の一品として提供され、とても好評だという。インターネットでの販売は行っていないものの、とても珍しい果実のため、島外からも直接電話で問い合わせが相次ぐほどの人気だ。
近藤さんは「今後、さらに生産量を増やしていきたいです。佐渡の特産品として全国に広めていければ」と意気込みを話す。
(渡部奎奈)