にいがた版 2016年6月2週号
イチゴに愛情込めて
新発田市 米倉いちご農園 若杉 智代子さん
「イチゴは人を幸せな気持ちにしてくれます。イチゴに囲まれて仕事ができ、とてもうれしいです」と笑顔で話すのは、若杉智代子さん(45)。新発田市米倉にある「米倉いちご農園」でイチゴの栽培を手掛けており「大きくて甘い」と県内外から好評を得ている。
イチゴを手に若杉さん |
「大きくて甘い」と評判の |
イチゴの収穫作業をする若杉さん |
3年間、ハワイで生活をしていた若杉さん。帰国後、別の仕事に就いていたが、体調を崩してしまった父親からの「イチゴをやってほしい」という強い思いを受け、栽培を始めることにした。
「農業をやることに抵抗はありませんでした。海外での生活を経験して、改めて日本の農作物の繊細なおいしさを実感しました」と当時を振り返る。
収穫作業は早朝5時から始まり、午前中は、家事の合間に収穫や事務仕事をこなす。午後からは、イチゴのパック詰めと出荷作業に追われる。収穫のピーク時には母親にも手伝ってもらうが、基本的には全ての作業を一人で行っている。「本当はもっと作業に没頭したいときもありますが、家庭との両立を考えなくてはいけないので難しいですね」と苦労を話す。
昨年8月には、台風の影響で、イチゴ苗の葉が飛び、黒くなるなどの被害を受けた。それでも、努力のかいあって傷んだ苗が立派な実をつけてくれた。そんなとき、イチゴに向かって「ありがとう」と声をかけたという若杉さん。「感謝を伝えるとイチゴも応えてくれる気がします」とイチゴに対する愛情は格別だ。
「常に疑問を持ちながら、いろいろな方法を試してみて、たくさんの人に愛されるイチゴを作りたいです。いずれはイチゴの加工にも取り組みたいですね」と意欲的だ。
「米倉いちご農園」のイチゴは、JAや市内の直売所に出荷している他、事務所での直売や全国へ発送も行っている。直売は1月下旬~6月、全国発送は2月~5月初旬までとなっている。
▽米倉いちご農園の事務所=新発田市米倉2927▽問い合わせ先=電話080・2248・6427
(船山千恵)