にいがた版 2016年4月3週号
素材を生かして
自家産・地場産の野菜や山菜で味噌漬け 阿賀町 長谷川 幸子さん
「添加物を一切使わず、地元産の野菜で漬物を作っています」と話すのは、漬物加工品を製造・販売する阿賀町平堀の長谷川幸子さん(70)。自ら「自信作です」と胸を張るシソの実と野菜を混ぜ合わせた味噌(みそ)漬けは、若い人からも好評で、「これからも大勢の方においしいと喜んでもらえる味噌漬けを作りたい」と意欲を燃やしている。
手作りの味噌漬けを手に長谷川さん |
自信作の味噌漬け
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味噌漬けの出荷準備をする長谷川さん |
仕事を辞めて間もない頃、知人から「農産物直売所ができるので何か出してみないか」と誘われ、野菜を出荷し始めた長谷川さん。調理師免許を持っていたことから、資格を生かして何か加工食品を出したいと思うようになった。いろいろ考えた末、手作りの漬物にしようと決めた。県農業大学校で研修を受けた後、2009年に加工施設「幸川庵」を造り、念願の漬物加工販売をスタートさせた。
「販売当初は試行錯誤を重ね、売れ残りが多く赤字続きでした」と当時を振り返る。思い悩んでいたところ、胎内市の直売所で販売されている味噌漬けの評判が良いと聞き、見学のつもりで味噌の醸造元を訪れた。その際、店の人から味噌漬けの作り方を丁寧に教わり、興味を持った長谷川さんは、味噌漬けをメインにしようと決意した。
「においが気になるため、添加物は使わない」と、素材そのものの風味を生かして作られる味噌漬けは絶品。材料のシソの実や野菜、山菜は自分の畑で栽培したものや、町内の農家から仕入れたものを使用している。味噌は同町津川産を、調味料は岡山県や北海道から取り寄せるなど、おいしさを追求している。
現在、津川の農林水産物直売所の他、五泉市や新潟市の直売所で販売されている。
「私がよく行く神社の宮司さんから、『跡取りができる』と〝予言〟をいただいたので(笑)、それを信じて後継者ができるまで頑張りたい」と抱負を話す。
(齋藤正樹)