にいがた版 2016年 4月1週号
佐渡の土産に育てたい
色鮮やかな伝統食「いももち」 佐渡市 金子 睦子さん
農閑期の10月ごろからサツマイモを原材料として作る菓子「いももち」の製造、販売を行っているのは、佐渡市小木大浦にある「工房あそび」の金子睦子さん(59)。現在、水稲約1㌶を作付けする傍ら、夫と二人三脚で、手作りの懐かしい味を提供している。
「ぜひ食べてください」とPRする金子さん |
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「いももち」 |
6年前に旧小木町(現佐渡市)が主催していた「いももちの加工講座」に参加したことがきっかけで作り始めた金子さん。いももちは、サツマイモを原料とする佐渡の伝統食で小木地区の特産品でもある。
金子さんは約30㌃の畑で、「紅あずま」「紅はやと」「きんとき」など、加工用に約4千本のサツマイモを栽培。
加工作業は夫と二人で全てを手作業で行っている。蒸したサツマイモをつぶし、小麦粉と砂糖を混ぜてよく練り合わせる。その後、材料を型にはめ、扇風機で乾燥させ、食べやすい大きさに切り分けてから、パック詰めする。
材料に小麦粉を加えるのは、サツマイモが硬くなるのを防ぐため。また、12月になると、紅はやとが硬くなるので、きんときなどの他のイモと混ぜ、硬さを調整する工夫をしている。「サツマイモをつぶす作業が一番大変ですよ」と苦笑する金子さん。
いももちは、注文を受け次第、順次出荷している。販売は4月ごろまでで、地元スーパーや直売所で400円前後で販売している。
サツマイモ本来の色を生かしたいももちは紫、黄色、オレンジと見た目が鮮やか。購入した人からは「色がきれいで、食感がもちもちしていてとてもおいしい。食べ出したら止まらない」といった声が寄せられるという。
金子さんは、依頼を受ければ講師として、いももちの作り方の指導にも取り組んでいる。
「今後、いももちが佐渡のお土産品として定着していってほしいですね」と金子さんは笑顔で話す。
▽問い合わせ先=「工房あそび」(金子睦子さん)電話0259‐86‐2834
(菊池沙絵子)