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サツマイモ「しるきーも」 消費拡大へ着実に(2024年12月1週号)

新潟市北区横土居の「農事組合法人ファーム横土居(代表理事・山際友和さん=37歳)」では、2016年にJA新潟市が商標登録したサツマイモのブランド「しるきーも」を栽培。生産量シェア約半分の15トンを生産し、市内のスーパーや直売所で販売するほか、加工品の製造にも力を入れている。

「おいしいと言ってもらえるように頑張りたい」と左から小柳さん、山際さん、宇田拓海さん
焼き芋は道の駅「豊栄」で販売している

 しるきーもは、新潟市北区で特産化の取り組みが盛んなサツマイモ「シルクスイート」を、他産地との差別化のためにブランド化したもの。上品な甘さと筋のない絹のような食感が特徴で、焼き芋や干し芋に適している。

 同法人では、地域の転作利用法人として、大麦9.1ヘクタール、小麦0.8ヘクタール、大豆4.1ヘクタールのほか、エダマメやネギなどの露地野菜を栽培する中で、しるきーもを1ヘクタール栽培している。

 「焼き芋が一番おいしい食べ方ですね」と話すのは理事の小柳覚さん(63)。道の駅「豊栄」で販売される焼き芋は、地元住民や遠方の客から好評だ。今年の焼き芋は11月中旬に販売を開始し、蜜の入り方が良く順調な滑り出しで、シーズンの販売量6トンを目標に掲げる。

 また、今年から干し芋加工を地元障がい者複合施設に委託。1月から400キロを製造し、5月の大型連休までに完売する人気商品となった。今後、さらなる増産を目指す。

 同法人では、しるきーもの定着を図るため、地元の保育園や生協を通じての収穫体験や、同区のイベントにも協力している。今年5回目を迎える「しるきーもマルシェ」は、12月15日(日)に新潟市北区文化会館で開催予定だ。

 一方で、異常気象に対応した栽培管理を行うことが課題の一つだという。山際さんは「どんな土地条件が合うのか模索中です。作物と会話できれば楽なんですけどね」と冗談交じりに話す。毎年圃場を少しずつ変えながら試行を繰り返している。

 小柳さんは「シルクスイートの苗は供給量が少ないため、将来的には許諾を得て、自家増殖苗による増産を図っていきたいですね」と将来の展望に熱意を見せる。

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