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水稲・野菜 試行重ね規模拡大(2024年6月3週号)

 新潟市江南区の「農事組合法人ドリーム和田(伊田治代表理事=70歳、構成員13人、従業員4人)」は、水稲52㌶、露地野菜1.2㌶、ハウス野菜12㌃を栽培している。同法人では、新たな技法を取り入れながら季節野菜を栽培。インターネットを活用して販路を拡大している。

「ぜひ食べてみてください」と石井さん
ミニトマトの定植作業

 同法人は、信濃川と阿賀野川に囲まれた両川地区和田で2007年に設立。地元を中心に栽培面積と野菜の品目を徐々に増やしてきた。近年は小型無人機(ドローン)を導入し、乾籾〈もみ〉直播や除草剤散布も行っている。

 設立当初から、水稲育苗後のハウスで安定して栽培できる野菜はないかと模索し、コンテナでのミニトマト栽培を試験的に開始。試行錯誤を重ね、今では主力商品の一つとなった。

 転作圃場の活用も考え、5年ほど前に長ネギの栽培を始め、サトイモ、ソラマメと品目を増やしてきた。

 「設立当初は試行錯誤の連続で、普及センターやJA全農の方からご指導いただきました。今では従業員4人を年間で雇い、水稲の管理と野菜の出荷に追われる日々を送っています」と伊田代表。

 野菜栽培は土づくりから力を入れ、有機肥料をふんだんに使用し、作物の生育ごとに必要な栄養を考えながら作業している。また、最近は疎植栽培を導入した。疎植栽培は、株間を広げることで日当たりや風通しを良くする技法で、光合成が活発になり成長が促されるという。

 従業員の石井俊太さん(26)は「野菜を健康に栽培することにこだわっています。生産した野菜を広く消費者の皆さんに知ってほしくて、ホームページやSNS(交流サイト)でこまめに発信しています。毎日変化のある農業が楽しくて仕方ないです」と笑顔で話す。

 商品は地元スーパーと青果市場に出荷するほか、通販サイト「新潟直送計画」でも販売している。

 「これから世代交代の時期が来ます。若い世代の力で、和田だけではなく農業がずっと続いていくことを願っています」と伊田代表は未来に期待を込める。

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