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子ども食堂、体験型民宿 みんながつながる場に(2024年5月3週号)

 今春まで地域おこし協力隊を務めていた上越市清里区武士の髙木桂〈かつら〉さん(42)は、購入した空き家を改装し「清里いばしょベース Cha―ya」をオープン。子ども食堂をはじめ、体験型民宿やコワーキングスペースも備え、多世代が交流する場所になることを目指している。

3月に開いた第1回の「子ども食堂」
「地域と協力しながら、大人も子どももたくさん遊びに来てほしい」と髙木さん

 3月上旬、1回目の「こども食堂」が開かれた。親子連れや小中学生、近所の住民など約120人が集まり盛況だった。

 地元の農業法人から寄付された米と武士集落の女性たちから無償提供された自家野菜を使って料理を提供。「野菜が自然に集まってきて、協力したいという声も多くいただき、とてもありがたかったです」と振り返る。

 北海道出身の髙木さんは、高校卒業後の約20年を東京で過ごし、結婚と出産を経験した。都市部で、野菜は工場で作られていると思っている子どもを目の当たりにして危機感を覚え、田畑と住居が近接した環境を求めて親子3人で2021年に移住した。

 「清里区は市の中心部まで車で15分の好立地でありながら、必要以上に手が加えられていない日本の農村らしい風景があります」と魅力について話す。

 3年間の地域おこし協力隊の活動の中で、清里区は地域営農のプロフェッショナルが多くいるが、営農に携わっていない人は地域との関わりを持ちにくいように見えた。「地域全体で子どもと関わり、誰もがつながることができる場をつくりたい」という思いが生まれ、施設を開いた。

 子どもとの関わりのテーマは「農育連携」。生まれ育った場所を深く知ることで「郷土愛を醸成して、ふるさとは素晴らしいところなのだと誇りを持ってもらいたい」とその理由を話す。

 地域外の人にも施設を知ってもらい、少しでも長く滞在してもらうため、畑収穫体験などを組み込んだ民宿機能も備えた。これまでに外国人を含む5組の客を受け入れている。

 「子どもと一緒に時を過ごしていきたいです。そして、施設に関わる人みんなが主体的に守ってくれるような、愛される場所になってほしいです」と髙木さんは展望を話す。

 ▽次回の「こども食堂」は6月1日(土)正午~。当面は毎月第1土曜日に開催予定。申し込み不要▽インスタグラム=@CHA_YA.2023

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