サツマイモを特産に(2024年2月1週号)
見附市の山間地に位置する上北谷地区の農業グループ「上北谷物語」では、サツマイモを地域の特産にしようと活動している。一時は生産農家の減少などで先細りしたが「かみのいも」とブランド化して生産・販売し、好評を得ている。
上北谷物語は当初、8人の生産者が集まりスタートしたが、高齢化などの理由で一時は2人までメンバーが減少した。
生産者がいなくなる危機的状況となる中で、メンバーの蝶名林正さんと小川敏幸さんが「ここのサツマイモをなくしてはいけない」と、見附市内の農家を中心に声をかけ、2020年に新たに4人が加入し再興した。
▼黒ボク土壌と寒暖差生かす
同地区は火山灰土(黒ボク土壌)で日中の寒暖差が大きい。そのため、栽培されるサツマイモは甘みが強く、皮が薄くて食べやすいと昔から評判が高かった。
「地域の人は、ここの芋がおいしいことを知っています。ただ、市外の人にはまだ知名度がなく、知ってもらいたいです」と話すメンバーの野村貴巳さん(45)。
▼イベントに出店 商品開発も
栽培品種は「べにはるか」と「シルクスイート」で、50㌃ほどの面積で作付けしている。収穫後は保存熟成させ「道の駅」や直売所などで販売するほか、冬場には焼き芋に加工して県内外のイベントにも出店している。
また、野村さんは「kimataファーム」を経営し「かみのいも」を使用した商品開発に力を入れる。一昨年に開発した「姫干し芋」は石焼き芋を干し芋に加工した珍しい商品。「皮が薄いので皮をつけたままでも食べやすく、サツマイモの甘みをそのまま楽しんでもらえます」と話す。
上北谷物語では県外のイベントにも積極的に参加し、2月に「さいたまスーパーアリーナ」で開催される「さつまいも博」にも出店予定。また、今年は株式会社スイーツラボ見附と協力して、かみのいもを使用したアイスクリームも販売する予定だ。