自家産からし菜の種でマスタード(2022年11月3週号)
自家産からし菜の種でマスタード 爽やかな辛み
「知人の『辛いマスタードが食べたい』という一言がきっかけで、からし菜の種をマスタードに加工しました」と話す南魚沼市大月「鈴木農場」の鈴木雄一郎代表。自ら栽培したからし菜の種で「和からしマスタード」の製造、販売を行っている。
通常、からし菜の種からは、練りからしが作られるが、同農場ではマスタードに加工し、通常より辛みの強い爽やかな味に仕上げている。
からし菜は秋に種を播き、翌年6月に種を収穫。雪の下になることでえぐみのない種になるため、雪深い南魚沼はマスタード作りに適しているという。広報担当の南雲優さんは「収穫時期の見極めが難しく、栽培に試行錯誤しています」と話す。
また、種は小さく、収穫したときに小さなごみが混ざりやすいため、6段階の工程で選別し、ごみや小石などを全て取り、品質管理にも気を配っている。
和からしマスタードは、材料にからし菜の種、塩、砂糖、酢だけを使用したシンプルなもの。1週間ほど熟成させると、ツンとした辛みとうまみが味わえるのが最大の特徴だ。「定番のソーセージに合うのはもちろん、おすしに少しのせて食べるのもお勧めです」と南雲さん。
商品はプレーンのほか、大月地域に自生している桑の木をチップにしてスモークした「Smorke和からしマスタード」も人気となっている。
今年の7月には、農業を主軸にさまざまな体験をする就労継続支援B型施設に併設した同農場の店舗がオープン。和からしマスタードに合うホットドックやハンバーガーなどのほか、からし菜の種を使用したクラフトコーラも味わうことができる。
鈴木代表は「自分たちで栽培したものを加工品にすることで、ブランディングし、収益を上げることで未来のある農業を目指したい」今後の展望を話す。