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にいがた版 2019年10月3週号

焼却施設の廃熱で暖房
バナナ来年初出荷へ

シモダ産業 柏崎市

産業資材の製造・販売を手掛ける柏崎市松波の「シモダ産業」では、同市荒浜にある同社のクリーンセンターから出る廃熱を利用したバナナ栽培への挑戦を始めた。来年6月の初収穫を計画しており、同市の高級バナナとしてブランド化を目指している。

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バナナの株の生育を見守る真紀子さん㊧、
猪股さん㊥、取締役の霜田久子さん

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焼却炉の排熱を利用したバナナ栽培の仕組み

シモダ産業はバナナの高級品種「グロスミッシェル」を、同社が運営するクリーンセンターの焼却炉から出る廃熱を活用して栽培。今年7月に同クリーンセンターの敷地内に約10㌃のハウスを2棟建設し、8月に204本の株を定植した。廃熱を利用して温めた温水をハウス内のパイプに流し、冬でもバナナ栽培に適した温度である24度に保つ仕組みだ。
同社常務取締役の霜田真紀子さん(39)は「樹上で完熟に近い状態にするので、皮が薄く柔らかくなり、皮付きで食べられる上に糖度が高く、香りが強くなります。柏崎の新たな特産品にしたいです」と力強く話す。
品種改良で耐寒性を備えたグロスミッシェルの株を、岡山市の農業法人から取り寄せることで栽培を可能にする。同農業法人で3カ月間、栽培方法を学び、現在、同社で栽培を担当している猪股弘士さん(51)は「株ごとに乾燥度合を見ているので、水管理が大変です。今のところ順調に育っていますが、農薬を使わずに栽培しているので、病気や害虫が心配ですね」と話す。
以前、同社の社長が海外で食べた樹上完熟のバナナのおいしさに引かれ「日本でも樹上完熟のバナナを育てたい」と、バナナ栽培の計画がスタートした。
来年6月に販売を開始する予定で、週に千本、年間販売本数5万本を目指す。新潟市内の百貨店で販売する他、料理や菓子の素材として、地元飲食店や菓子店で提供していきたいという。真紀子さんは「柏崎市の地域貢献、地域ブランドにしていきたいですね」と話す。

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