にいがた版 2019年3月3週号
SNSで“見せる農業”
「こばやし農園」代表 小林 茂宏さん 三条市
SNS(会員制交流サイト)やWebサイトを利用して栽培や販売の情報を発信しながら、水稲と園芸の複合経営を行う、三条市上須頃の「こばやし農園」代表・小林茂宏さん(55)。自身の顔や作業風景を配信する「見せる農業経営」に取り組んでいる。
旬のアスパラ菜のハウスで小林さん |
ライフログアプリで作業 時間を記録する |
「家族がパソコンに詳しいことと、私が農業簿記ソフトを導入していこともあって、ネット環境も早い段階で整っていましたね」と小林さん。2001年ごろにホームページを立ち上げ、農産物の直送販売を始めた。販売するのは主に米だが、その時期に取れる野菜を同梱〈どうこん〉することもあり、多くのリピーターを抱えている。
「リスク分散のためにも、複数の野菜を並行で栽培しています。おかげで収入は安定しますが、忙しいですね」と苦笑いする。水稲約4㌶、施設園芸約15㌃、露地園芸約40㌃を家族で経営。地元スーパーなどに納品する野菜にオリジナルラベルを貼るなど、手間をかけた「顔見せ」販売を行っている。
日々の活動を自動で記録するスマートフォンアプリ「ライフログアプリ」とSNSを連動させ、作業記録としても活用している。作業内容だけでなく、使用した肥料も記録しているという。作業の合間には、SNSも更新する。
「SNSに写真を投稿して、さかのぼって見てみると、自分の作業や作物生育の状況がよく分かります。ライフログアプリに作業の開始・終了を記録することで、作業時間も分かりますし、作業日誌としても使えます」と小林さん。作業の中にもすぐにスマートフォンを使えるよう、敷地内から畑までWi―Fi環境も整えてある。
小林さん方では、昔から農産物をリヤカーに積んでの「振り売り」をしており、現在も母が軽トラックで近隣住宅地へ野菜を売りに行っている。昔ながらの対面販売と、ネットやパッケージを介した広報活動で地道な固定顧客獲得に取り組んでいる。
「自分がどんな作業をして何を作っているか、周囲の人にも、遠くの人にも、知ってもらいたいですね。サイトも古いので、今後リニューアルしていきたいですし、作業風景やPR動画の投稿にも、もっと挑戦してみたいです」と意欲を見せる。
▽問い合わせ先=こばやし農園URL=http://www.kobayashifarm.com/▽電話0256(32)3138
(丸山圭子)