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にいがた版 2018年9月3週号

ごんぼっぱ入り手作り笹団子
伝統の味を全国へ

五十嵐祐子さん 三条市

小豆餡〈あん〉だけではなく「きんぴら」「甘味噌〈みそ〉」など、さまざまな種類の笹〈ささ〉団子の製造・販売を行っている三条市曲谷の五十嵐祐子さん(59)。NPO法人「笹団子研究会」として、笹団子のさらなる普及を図るため、商品開発などに励んでいる。

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「親子で力を合わせています」と話す
五十嵐さんと息子の洸〈ひかる〉さん

 


ごんぼっぱ

種類豊富な手作り笹団子

「メニューのほとんどは、お客さまの声を反映して考案しています」と五十嵐さん。10年前に建設関係の仕事を辞めて、地元である同市下田地区に「ふーど工房ゆうこ」を立ち上げ、笹団子の製造を始めた。
地元生産者の作るサツマイモ「紅あずま」をはじめ、「栗」「抹茶」「カボチャ」などの変わり種も考案するなど、期間限定品も含めて11種類の笹団子を作っている。
新潟駅や県内のイベントの他、東京でも販売される五十嵐さんの笹団子。作り方のワークショップも各地で行っている。4月にはNHKで放送された「グレーテルのかまど」に出演するなど、笹団子の普及に広く貢献している。
「笹団子は冷たいものだと思っている方が多いと思いますが、うちでは出来たてを食べてもらえるように、予約制にしています」と思い入れを話す。生地にはヨモギではなく、伝統的な下田産の「ごんぼっぱ」を練り込む。
ごんぼっぱは「オヤマボクチ」というキク科植物の葉で、昔は県内各地の山野で自生していたが、現在は山沿いでわずかに栽培されているだけという。ヨモギの生地が強い香りと深緑色になるのに対し、ごんぼっぱでは無臭の、淡い黄緑色の生地が練り上がる。
月曜と金曜の新潟駅前での販売では「ごんぼっぱ笹団子」ののぼりを出している。お年寄りからは「昔は新潟市内でも笹団子の生地はごんぼっぱでしたね」と懐かしむ声が聞かれる。
「おいしいものは、どんなに遠くからでも買いに来てくれる人がいます。もっともっとおいしさを追求して、お客さまに提供していきたいですね」と意欲的だ。
伝統的な昔懐かしい笹団子を作り続けるとともに、地元産を生かせるよう「ル レクチエ」やイチゴを使った餡にも挑戦していく。
▽問い合わせ先=ふーど工房ゆうこ、℡0256(46)0358)
(金子亮)

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