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にいがた版 2017年8月3週号

休耕地を有効活用
地域振興につなげたい

本間達雄さん 佐渡市

「島の風に乗って来るミネラルを吸収した佐渡の良質なイチジクを全国へ届けたいです」と話すのは、佐渡市豊田の本間達雄さん(69)。休耕田13㌃を活用しながら、妻と協力して、イチジクを生産している。

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イチジクの生育を確認する本間さん

 

 

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イチジクの園地

高台にある日当たりの良い休耕田を活用し、8年ほど前からイチジクを栽培している本間さん。普段は別の仕事をしているが、仕事現場の近くに住んでいるイチジクの生産者と仲良くなったことがきっかけで栽培を始めた。
栽培当初は3本の苗木だけだったが、収穫したイチジクのおいしさに魅了され増産を決意。佐渡の気候がイチジク栽培に適していることが分かり、現在100本近くの樹(き)を管理している。
品種は一般的な「桝井(ますい)ドーフィン」を主に栽培しているが、リピーターからの要望を受け、今年から新たに「日本いちじく」の樹25本の栽培を始めた。
「樹は話すことができないので目でよく観察し、防除のタイミングや水やりの時期を的確に判断することが大切ですね。良質なイチジクが出荷できるよう、試行錯誤しています」と力強く話す。
疫病やカビを早期に発見できるよう頻繁に園地へ出向き、イチジクの樹や葉など細部まで根気よく観察する。病気が見つかった場合には、周りに伝染する前にすぐに撤去するなど、細心の注意を払っている。
イチジクは芽かきのタイミングが少し遅れるだけでも果実の出来が悪くなってしまうため、果実に栄養を十分に行き渡らせ、大きくて香り高いイチジクを栽培するには目配りは欠かせないという。
現在、大きくて完熟した佐渡産のイチジクを早い時期に出荷できるよう研究中だという本間さん。昨年は8月3日から出荷を始めたが、今年は異常気象の影響で8月末から出荷予定だ。イチジクの生産量の多い愛知県の栽培方法や立地条件などを研究し、佐渡でも同じくらいの時期に収穫ができるよう工夫を重ねている。
「佐渡のイチジクの知名度が上がれば、需要や消費も増えて担い手も増加します。休耕地の活用と地域振興につながってほしいですね」と期待を込める。
(渡部奎奈)

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